TOPOGON25mmF4 VS Nikkor2.5cmF4
 トポゴン型の2本のレンズについて、比較してみました。



 レンズ構成が全く同じで、F値も同じですので、レンズ自体の大きさは、ほとんど違わないのですがニッコールはライカLマウントなので、鏡胴の大きさが全然違います。

 

トポゴン25mmF4 絞り開放

 

ニッコール2.5cmF4 絞り開放

【撮影結果】
 こうして比較するとニッコールの方が僅かに写角が広かったです。トポゴンの開放絞りは、薄く靄が掛かったようになりました。開放絞りでは、柔らかい描写になるのはそのためのようです(あくまでも私の所有しているレンズに限ります)。
 2本のレンズとも中心部は開放絞りからシャープです。レンズの設計が同じなので、ガラスの材料の違いしかないように思うのですが、どんなものなのでしょうか。
 両レンズを同じ日に使用してみての感想ですが、ニッコールは後から出ただけあってトポゴンの弱点をうまくカバーしています。広角レンズなのでどうでもいいかもしれませんが、ピント合わせが距離計でできます。レンズ保護のフィルターの装着もできます(トポゴンもできますが、その時は絞り値を変える毎にフィルターを外さなければいけません)。周辺部の甘さもほとんど見られません。しかし、周辺光量落ちは、ニッコールの方が大きいように思われます。
 さらに何と言っても、トポゴンはライカのボディで使用する際は、マウントアダプターを使用しても距離計のコロのあるボディではコロに当たって使えません。MD型のボディの無い人はアダプターがあっても装着できません。
 2本のレンズをこれだけで、良いか悪いかの判断は勿論できませんが、使い易さはだんぜんニッコールに軍配が上がりそうです。

【作例】



 トポゴンの作例です。黒部峡谷鉄道の宇奈月駅付近で撮影しました。このレンズは描写が甘いという評判ですが、絞り込んだ状態ではどうでしょうか。周辺は評判通りの描写となりました。中心部はまずまずといったところでしょうか。LeicaMD-2で撮影。




 次はニッコールの作例です。富山地方鉄道電鉄魚津駅のホームで宇奈月行きの電車を待っていましたら、運良くJRの特急はくたか号が来ましたので、両方の車両のバランスを考えて撮影しました。LeicaMD-2で撮影。


追加  ORION-15 28mmF6



 番外編ではありませんが、オリオン15を購入したので、比較に追加しました。レンズのスペックは焦点距離及び開放F値に違いはありますが、気軽にトポゴン型のレンズを楽しめるということで金額の差が性能や描写にどのくらい差があるのか、個人的な感想ではありますが参考になれば幸いです。(銀行の外壁比較は、その4で行います。)

【作例】



 上記2本のレンズ同様、鉄道写真撮影という観点で比較して見ました。絞りはf8です。ほとんどパンフォーカスになっていますが、高価な上記2本のレンズと比べるとシャープさで見劣りするようです。しかし周辺光量不足はほとんど見られませんでした。画面全体に均一な明るさが必要な場合はこのレンズを選択するのも一考かなと思います。α7Sで撮影。


オリオン-15はトポゴンを超えたのか。


 最近オリオン-15をよく使っています。28mmレンズは現代にマッチしたスナップレンズであると思います。10年ほど前までは、35mmレンズでの自然な写角のスナップ写真がお気に入りだったのですが、最近は寄りすぎる所為か35mmでは写角が狭く感じることが多くなってきました。そこで28mmレンズなのですが、レンズは何本も所有しているので、いつもどのレンズを使おうか悩んでいますが、お気に入りのエルマリートはレンズが大きく、人目に付きやすいので風景写真に使っています。
 ニコンやキャノンの28mmレンズはコンパクトなのですが、金属製で重量があり、軽量なオリオンには敵いません。そうしてオリオン-15の出番が多くなってきました。そこで気になるのは元祖トポゴンとの描写の違いなのですが、焦点距離が28mmと25mmで少しではありますが違うので厳密な比較はできません。歪曲収差は両レンズともほとんど認められませんので、コントラストと解像力の違いを重点的に見ていきたいと思います。
 私が所有するトポゴンは開放絞りでは柔らかい描写という印象です。女性的で上品とも云えるのかもしれません。トポゴン型レンズのニッコール2.5cmF4は線の太いコントラストも高く力強い男性的な描写をしてくれます。オリオン-15はどちらかというとニッコールに近いという印象です。線は細くコントラストもそれほど高くはない描写ですが、本家トポゴンの描写には及びません。
 しかしながら、価格も廉価で本数もたくさんあり、誰でも入手できるお手軽トポゴン型レンズとしての存在感は大きいと思います。キエフのボディにオリオン-15を着けてモノクロフィルムで撮影すれば、被写体は昭和のロシアといった感じなのですが、ボディはミラーレスのデジカメではとてもそのような作風にはできません。
 作例は、雨で路面が濡れ、盲人用の案内ブロックがいい色になっていたので撮影しました。モノクロにしようかとも考えましたが、くすんだ黄色を表現したかったのでカラーのままにしました。α7Sで撮影。


身軽な旅行には、ニッコール2.5cmがいい!



 日帰り旅行でも移動するごとに自分の買い物や家族のおみやげなどで手荷物が増えていきます。私の場合は、特急電車の車内で弁当を食べるのが旅行の楽しみのひとつなのでそれも手荷物になります。肩に掛けたバッグと首からカメラをぶら下げ、片手に紙袋を二つ三つ持つとそれなりの重量になります。以前はコインロッカーに入れたりもしていましたが、戻ってこないといけないので、最近は使用しないことが多いです。
 そこで最小限の機材として選ぶレンズ1本となると、ズームレンズがいいんじゃないかとなりますが、私の場合は広角単焦点レンズ1本と決めています。スナップ撮影にはズーミングしてフレーミングでは、シャッターチャンスを逃すので、写角を頭に入れてさっと写しています(ノーファインダーが多いです)。オリオンよりもコンパクトで小さく、バッグに入れても嵩張らないこのレンズは所有するレンズの中で最も軽量コンパクなレンズの1本です。ミラーレスデジカメとの相性も良く、ファインダーでほぼ100%の視野が確保されます。M型ライカを使用していた時は、別に単独ファインダーを装着していましたが、軍艦部に突起ができて使い勝手は悪かったです。
 レンズ前面には、保護用のフィルターを装着しても絞り値の変更ができるのもトポゴンやオリオンより優れているところです。普段は不用意に動かないように、マスキングテープで押さえています。ピント合わせは、ヘリコイド付きマウントアダプターのヘリコイドを使って、置きピンでの撮影が多いです。α7Sで撮影。



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